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出版翻訳家を目指して勉強中。
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中目黒のカフェで隔月土曜に翻訳ビギナーズ勉強会を開催しています!
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洋書の森イベント

今日は日本出版クラブのセミナーに行ってきました。講師はあの松岡佑子さんです。ハリーポッターの翻訳話や編集の方との連携、質疑応答にも丁寧にお答えいただいて本当に楽しい時間でした。松岡さんはそのあとの懇親会にも参加され、個人的にお話することもできたし『ハリーポッターと賢者の石』に念願のサインを……

 

いただくことはできず! 時間の都合で今回はサイン会なしでした悲しス。

 

ここからはセミナーの感想ではなく、わたしがハリーポッターをここまで推す7つの理由という自己満足な内容になります。ネタバレしてるし、読んでいない人には分からないことかもしれないので興味のある方だけ見てください。

 

その1:脇役の過去もしっかり設定されている

物語が進むにつれハリーたちメインのキャラクターだけでなくダンブルドアやスネイプ、さらには脇役の過去もだんだん明らかになってきます。セリフや行動に一貫性があって、なぜその行動をとったかという理由がその人の過去を知ると納得できることが多く、それらがすべて伏線として1巻から出てきているんです。登場人物が本当に存在する人としか思えないのがハリーポッターの一番の魅力です。

 

その2:伏線の素晴らしさ

きっと作者の頭の中には1巻を書き始めたときから7巻までのだいたいのあらすじは浮かんでいたんだと思います。火消しライターが最後にあんな風に使われるなんて。1巻でダンブルドアのカードに書かれていたグリンデルバルドとの決闘がこれほど大きな意味を持つとは。スキャバースがま、まさかの……。そしてハリーの目が、お母さんそっくりの緑であること。伏線は多すぎて書ききれませんが、とにかくすごいのよ。

 

その3:容赦がない

人気のキャラクターも割とあっさり死にます。主人公の大事な人は決して死なない都合のいいお話ではなくて、現実と同じく死ぬときは一瞬です。あの頃は受け入れるのに時間がかかったけど、今考えるとハリーの周りで死者が出ないことのほうが違和感があって、それでも人生は続いていくと伝えたかったのかなと思います。Life goes on.

 

その4:ハリーは普通の子

ハリーは特殊な能力を持っているわけでも、他の魔法使いより優秀なわけでもありません。だからハリー自身もずっと悩み続けます。人並みはずれた能力がないことはハリーが一番分かってる、なのに皆に最後にはどうにかしてくれるだろうという目で見られる。ハリーが生き残ったのは、ヴォルデモートが理解しない「愛」に守られたから。決して特別な子だったからではないんです。

 

その5:偏見を払拭

ハリーポッターの物語は全編を通して「偏見を持って人を見ない」というメッセージが込められています。完璧に見えるダンブルドアには悔やんでも悔やみきれない過去があり、若気の至りがあり、最後には致命的なミスをおかします。ゲイであることもほのめかされていましたね。一方、誰からも読者からも嫌われ続けていたスネイプは本心が明らかにされたとたん、誰よりも愛すべきキャラクターに激変します。ハリーの初恋の相手はアジア人だし、学年一の学力を誇るハーマイオニーはマグルの血を受け継いでいます。人間のいいところと嫌なところがちゃんと描かれているのがリアルで、読者を大事にしているなと感じます。

 

その6:翻訳!

キャラクターの訳し分けがとても良くて、面白い! 批判を恐れて普通の会話文にしていたらこれほどの人気は出なかったと思います。「我輩」と言ってこそイヤミったらしいスネイプだし、ルーナが「〜だもん」と言うことで不思議ちゃんの雰囲気が出るし、スタンやハグリッドのなまりが彼らのセリフに命を吹き込む大事な要素になっています。それから固有名詞の翻訳が神がかってる。子どもたちが自分でも言ってみたくなるような言葉や、魔法の世界に浸れるような言葉がいっぱい出てくるんです。かくれん防止器とか、姿現しとか、ほとんど首なしニックとか、秘密の守人とか、忍びの地図とか。挙げだしたらキリがない。

 

その7:先が読めない

よくある勧善懲悪で終わらない。ひとことで言ってしまえばハリーたちが勝利してハッピーエンドなんだけど、それ以外は読んでいて驚かされっぱなしです。普通、宿敵が先生の頭の後ろに住み着いてるなんて考えつかないし、ハリーが死なない限りヴォルデモートも死なないなんて究極の設定だし、ダンブルドアが死んだ理由もスネイプの「永遠(とわ)に」も別れぎわにペチュニアが結局何も言わなかったことも。すべてが予想外で、だからこそ面白い。

 

決めた。今年の年末は遊びに行くのはやめて、家でハリーポッター読み返そう。

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